平成30年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果
厚生労働省から、「平成30年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果」が公表されています。
今回の重点監督は、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や若者の使い捨てが疑われる事業場などを含め、労働基準関係法令の違反が疑われる8,494事業場に対して集中的に実施されたものです(平成30年11月に実施)。
実施結果の概要
①監督指導の実施事業場: 8,494事業場
このうち、5,714事業場(全体の67.3%)で労働基準関係法令違反あり
②主な違反内容[①のうち、是正勧告書を交付した事業場]
・違法な時間外労働があったもの:2,802事業場(全体の33.0%)
・賃金不払残業があったもの:463事業場(全体の5.5%)
・過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの:948事業場(全体の11.2%)
③主な健康障害防止に係る指導の状況[①のうち、健康障害防止のため指導票を交付した事業場]
・過重労働による健康障害防止措置が不十分なため改善を指導したもの: 4,932事業場(全体の58.1%)
うち、時間外・休日労働を月80時間以内に削減するよう指導したもの:2,216事業場(上記の事業場のうち44.9%。全体では26%)
・労働時間の把握方法が不適正なため指導したもの:1,362事業場(全体の16.0%)
過重労働による労災請求があった事業場や若者の使い捨てが疑われる事業場を対象とした監督・指導の結果であり、違反率の高さが目立ちます。
時間外・休日労働については、月80時間を超えていると、監督・指導の対象になる模様です。
これは、過労死等の労災認定の基準に配慮したもので、「脳・心臓疾患の発症前1か月間におおむね100時間または発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外・休日労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いとの医学的知見があるため」ということです。
厚生労働省では、今後も、長時間労働の是正に向けた取組を積極的に行っていくとのことです。