令和5年度国民負担率は46.8%となる見通し
財務省は、国民負担率が、令和5年度予算では4年度実績見込みから0.7ポイント減の46.8%と2年連続で低下する見通しと発表しました。国民負担率とは、国民所得に対する税金や社会保障(年金・健康保険などの保険料)の負担割合のことです。5年度見通しの内訳は、国税17.7%、地方税10.4%で租税負担率が28.1%、社会保障負担率は18.7%。国民所得の伸びが大きく、社会保障負担などの増加を上回る見通しで、国民負担率を引き下げたとしています。
令和4年度実績見込みに比べ、租税負担率は0.5ポイント減(国税:0.2ポイント減、地方税:0.3ポイント減)と2年連続で低下し、社会保障負担率も0.1ポイントの微減ながら3年連続で低下しています。
国民負担率を諸外国(2020年実績)と比べた場合、日本(2020年度47.9%)は、米国(32.3%)、英国(46.0%)よりは高く、フランス(69.9%)、スウェーデン(54.5%)、ドイツ(54.0%)よりは低くなっています。
真の負担率は、財政赤字という形で将来世代へ先送りしている負担額を加える必要があります。財務省によると、令和5年度の国民所得(4年度に比べ11万5千円増の421万4千円の見通し)に対する財政赤字の割合は、前年度から6.5ポイント減の7.1%となる見通しです。この結果、5年度の国民負担率に財政赤字を加えた「潜在的な国民負担率」は、4年度実績見込みからは7.2ポイント低下の53.9%となる見通しです。
なお、租税負担率は、戦後は昭和20年代の混乱期を除いて20%前後で推移していました。しかし昭和50年台半ば以降、次第に上昇し始めその後はほぼ20%台前半から半ばで推移、令和3年度実績では過去最高の28.9%を記録、5年度は過去4番目に高くなっています。
OECD加盟38ヵ国との2020年実績での比較では、比較可能な36ヵ国中、日本(28.2%)はコスタリカ(19.5%)、メキシコ(21.6%)などに次ぐ8番目に低い水準です。最高はデンマークの64.8%です。
また、令和5年度見通しの国民負担率46.8%は、調査開始以来、過去最高となる3年度実績の48.1%を1.5ポイント下回りますが、11年連続で40%台の高水準の数字となる見込みです。
OECD加盟38ヵ国と2020年実績で比較した場合、日本(47.9%)は、比較可能な36ヵ国のなかで下から15番目に低くなっています。最高はルクセンブルグの84.6%、最低はチリの21.6%です。
詳しくは下記参照先をご覧ください。
- 参照ホームページ [ 財務省 ]
- https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/futanritsu/index.htm