【3月は「価格交渉促進月間」です】
エネルギー価格や原材料費、労務費などが上昇する中、中小企業が適切に価格転嫁をしやすい環境を作るため、2021年9月より、毎年9月と3月を「価格交渉促進月間」と設定しました。
この「月間」おいて、価格交渉・価格転嫁を促進するため、広報や講習会、業界団体を通じた価格転嫁の要請等を実施しています。また、各「月間」終了後には、多数の中小企業に対して、主な取引先との価格交渉・価格転嫁の状況についてのフォローアップ調査を実施し、価格転嫁率や業界ごとの結果、順位付け等の結果をとりまとめるとともに、状況の芳しくない親事業者に対しては下請中小企業振興法に基づき、大臣名での指導・助言を実施しています。
1:毎年3月と9月は「価格交渉促進月間」です
中小企業の経営改善や賃上げの実現には、労務費、原材料費、エネルギーコストなどの上昇分を適切に取引価格に転嫁することが重要です。毎年3月・9月の「価格交渉促進月間」の機会に、適正な価格転嫁に向けて、思い切った価格交渉を行いましょう。
2024年3月の価格交渉促進月間のフォローアップ調査結果によれば、中小企業の約6割が「価格交渉が行われた」と回答し、「発注側からの声掛けで交渉できた」という割合も9月の調査時から4%上昇し、18.4%となっております。また、価格交渉が行われた企業のうち約7割が労務費についても価格交渉を実施しております。
価格転嫁についても、9月調査時から「コスト増加分全額価格転嫁できた割合」が3%上昇し19.6%、「一部でも価格転嫁できた」割合においても4%上昇し67.2%となっており、価格転嫁の裾野が広がりつつあります。
「発注企業から交渉の申し入れがあり、価格交渉が行われた」割合は、昨年9月から更に増加しました。
一方で、「価格交渉を希望したが、交渉が行われなかった」割合も増加。引き続き、労務費指針の徹底等による価格交渉の機運醸成が必要です。
コスト全体の転嫁率は、9月時点より微増しました。他方、全く転嫁できず、減額された企業が約2割。「転嫁できた企業」と「出来ない企業」で2極化の兆しもあり、転嫁対策の徹底が重要です。
業種別の価格転嫁率、発注側企業ごとの価格交渉・価格転嫁の状況など、詳細はこちらからご覧になれます。
価格交渉促進月間(2024年3月)フォローアップ調査結果
https://www.meti.go.jp/press/2024/06/20240621002/20240621002-ar.pdf
2:労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針
急激な物価上昇を乗り越え、持続的な構造的賃上げを実現するためには、中小企業がその原資を確保できる取引環境を整備することが重要です。その取引環境の整備の一環として、内閣官房及び公正取引委員会の連名で「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」が公表されました。
「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」
https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/romuhitenka.html
3:価格交渉・転嫁を支援する全国的なサポート体制
価格交渉に関する基礎的な知識や原価計算の手法の習得支援を通じて、下請中小企業の価格交渉・価格転嫁を後押しする「価格転嫁サポート窓口」を設置しております。
「価格転嫁サポート窓口」
https://www.meti.go.jp/press/2023/07/20230710003/20230710003.html
また、下請代金の減額や消費税の転嫁など企業間取引に係る各種相談について専門の相談員や弁護士によるアドバイス等を通じて、下請取引の適正化を推進する「下請かけこみ寺」も設置しております。
「下請かけこみ寺」
https://www.zenkyo.or.jp/kakekomi/
関連リンク
・価格交渉ハンドブック
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/pamflet/kakaku_kosho_handbook.pdf
・取引適正化に向けた発注側企業の取り組み例
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/download/tenka_torihiki_tekiseika/ordering_company.pdf
・価格交渉・価格転嫁のススメ(日本商工会議所)
https://www.jcci.or.jp/support/information/kakaku/
詳しくは下記参照先をご覧ください。
- 参照ホームページ [ 中小企業庁 ]
- https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/follow-up/index.html