【安全衛生】従業員のストレスチェックはもうお済みですか?
労働安全衛生法が改正され、従業員が50人以上いる事業所では、昨年(2015年)12月から毎年1回、ストレスチェックを全ての従業員に対して実施することが義務付けられました。そして、本年11月30日までの間に、全ての従業員に対して1 回目のストレスチェックを実施することになっています。
■ストレスチェック制度の概要
◎ストレスチェックって何?
「ストレスチェック」とは、ストレスに関する質問票(選択回答)に従業員が記入し、それを集計・分析することで、自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べる簡単な検査です。
従業員が50人以上いる事業所では、2015年12月から毎年1回、この検査を全ての従業員(※注)に対して実施することが義務付けられました。
(※注)契約期間が1年未満の従業員や労働時間が通常の従業員の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者は義務の対象外です。
◎何のためにやるの?
従業員が自分のストレスの状態を知ることで、ストレスをためすぎないように対処したり、ストレスが高い状態の場合は医師の面接を受けて助言をもらったり、会社側に仕事の軽減などの措置を実施してもらったり、職場の改善につなげたりすることで、「うつ」などのメンタルヘルス不調を未然に防止するための仕組みです。
◎いつまでに何をやればいいの?
ストレスチェック制度(準備から事後措置まで)は、以下の手順で進めていきます。
2015年12月1日から2016年11月30日までの間に、全ての従業員に対して1 回目のストレスチェックを実施しなければなりません。
「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」ダウンロードサイト: http://stresscheck.mhlw.go.jp/
※ストレスチェックと面接指導の実施状況は、毎年、労働基準監督署に所定の様式で報告する必要があります。
◎注意すべきポイント
1.ストレスチェックの実施について
・ストレスチェックを実施する者。医師、保健師、厚生労働大臣の定める研修を受けた看護師・精神保健福祉士の中から選ぶ必要があります。外部委託も可能。
・ストレスチェックの調査票は、「仕事のストレス要因」、「心身のストレス反応」及び「周囲のサポート」の3領域を全て含むものとする。具体的な項目数や内容は、事業者自ら選定可能だが、国が推奨する調査票は「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」とする。
2.職場分析と職場環境の改善
・職場の一定規模の集団(部、課など)ごとのストレス状況を分析し、その結果を踏まえて職場環境を改善することを努力義務とする。
・集団規模が10 人未満の場合は、個人が特定されるおそれがあるので、全員の同意がない限り、結果の提供を受けてはならない。原則10 人以上の集団を集計の対象とすることが望ましい。
3.プライバシーの保護
・事業者がストレスチェック制度に関する従業員の秘密を不正に入手してはいけない。
・ストレスチェックや面接指導で個人の情報を取り扱った者(実施者とその補助をする実施事務従事者)には、法律で守秘義務が課され、違反した場合は刑罰の対象となる。
・事業者に提供されたストレスチェック結果や面接指導結果などの個人情報は、適切に管理し、社内で共有する場合にも、必要最小限の範囲に留める必要がある。
4.不利益取扱いの防止
事業者が、以下の行為を行うことは禁止される。
(1)次のことを理由に従業員に対して不利益な取扱いを行うこと。
・医師による面接指導を受けたい旨の申出を行ったこと
・ストレスチェックを受けないこと
・ストレスチェック結果の事業者への提供に同意しないこと
・医師による面接指導の申出を行わないこと
(2)面接指導の結果を理由として、解雇、雇い止め、退職勧奨、不当な動機・目的による配置転換・職位の変更を行うこと。
参照ホームページ[厚生労働省] http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/