令和4年度補正予算案(中小企業・小規模事業者等関連)のポイント等を掲載
中小企業庁から、令和4年度補正予算案(中小企業・小規模事業者等関連)のポイント等を掲載したとのお知らせがありました。中小企業対策関連予算/令和4年度補正予算関連に関する各種の資料が更新されています。たとえば、大胆な賃上げに取り組むみなさまへ向けたチラシでは、全体の給与や教育訓練費の増加分の一部を法人税額から控除できる賃上げ促進税制、賃上げによって、各種補助金の補助率や補助上限が引き上げられるインセンティブが得られる、事業再構築補助金、ものづくり補助金、事業承継・引継ぎ補助金、事業場内で最も低い賃金の引上げを図る企業の生産性向上に向けた取組みを支援する、業務改善助成金などです。
■1.資金繰り支援【2,981億円】財務省計上分212億円を含む
【新たな借換保証制度の創設】
○民間ゼロゼロ融資実質無利子・無担保融資からの借換需要に加え、他の保証付融資からの借換や新たな資金需要にも対応するため、100%保証は100%保証で借換えすることができる保証制度を創設。金融機関による継続的な伴走支援による経営改善に取り組む事業者一定の売上減少要件等を満たす場合の保証料の一部を補助保証上限1億円、保証料0.2%等)。
【経営者保証を徴求しない創業時の信用保証制度の創設】
○創業時に課題となる経営者保証を不要とする信用保証制度を創設保証上限3,500万円。事業者が債務不履行となった場合に発生する信用保証協会の損失の一部等を補填。
→ 具体的な制度設計は、年内メドにとりまとめ予定
※上記に加えて、日本政策金融公庫等による資金繰り支援セーフティネット貸付の金利引下げ、スーパー低利融資、資本性劣後ローンの供給の継続(2023年3月末まで、認定経営革新等支援機関による計画策定を条件とした保証制度や資本性劣後化保証付DDS)、中小機構の出資機能の強化を措置。
■2.価格転嫁対策の更なる強化【4.8億円】
○中小企業の取引環境を改善するため、価格交渉促進月間等を通じ中小企業の価格交渉と転嫁が定期的に行われる取引慣行の定着を図るとともに、インボイス制度導入等にかかる取引実態等を把握。
○さらに、下請Gメンの体制を強化し、300名体制へ。
■3.事業再構築補助金【5,800億円】
○成長分野への転換を図る事業者成長枠に対しては、グリーン成長枠と同様に売上減少要件を撤廃。また、大胆な賃上げに取り組む事業者には、更なるインセンティブ補助率・補助上限の引上げを措置。
○市場規模が縮小する業種・業態からの転換や、円安を活かした国内回帰を図る事業者を対象とする支援枠を新設。業況が厳しい事業者については、引き続き高い補助率で支援。
【成長分野への転換の支援】
○市場規模が10%以上拡大する業種・業態への転換を支援する「成長枠」を新設。また、「グリーン成長枠」について、研究開発等の要件を2→1年に短縮等した「エントリークラス」を新設し、裾野拡大。
○事業終了後3~5年で中小・中堅企業から中堅・大企業へ卒業した場合に上限が2倍となる「卒業促進枠」も新たに用意。
【賃上げに対する支援】
○グリーン成長枠・成長枠において、補助事業期間内に事業場内最低賃金を年45円以上引上げた場合等に補助率を1/2→2/3に引上げ。また事業終了後3~5年で同水準等を達成すれば上限3,000万円増。
【産業構造転換等の促進】
○市場規模が10%以上縮小する業種・業態からの転換を支援する「産業構造転換枠」を新設し、廃業費がある場合、上限を2,000万円上乗せ。海外から国内への回帰等を促進する「サプライチェーン強靱化枠」上限5億円、補助率1/2)も新設。
【業況が厳しい事業者への支援】
○新型コロナや物価高等により業況が厳しい事業者や、最低賃金引上げの影響を大きく受ける事業者を引き続き手厚く支援補助率:2/33/4、売上10%減少等が要件。
■4.生産性革命推進事業【2,000億円】国庫債務負担含め総額4,000億円
○中小企業・小規模事業者の設備投資、販路開拓、IT導入、事業承継等を支援。グリーン分野への投資加速化、大胆な賃上げ、インボイス、への対応を支援すべく、補助率や上限額を引上げ。
○中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を切れ目なく支援するため、交付金事業令和5年度までに加えて、国庫債務負担行為令和6年度までにより長期的な予算措置を担保。
ものづくり補助金(革新的製品・サービスの開発や、生産プロセス等の改善に必要な設備投資等を支援)
○「グリーン枠」を拡充し、温室効果ガス排出削減の取組度合いに応じて、3段階の補助上限を設定することで、幅広い省エネニーズを取込み。
○「グローバル市場開拓枠」を新設し、海外展開に係るブランディング・プロモーション等の経費を補助対象へ追加(ジャパンブランド事業を統合)。
○事業終了後3~5年に事業場内最低賃金を年45円以上引上げ等で上限を最大1,000万円引上げ。
小規模事業者持続化補助金(小規模事業者による経営計画策定及び販路開拓等を支援)
○インボイス枠を拡充し、課税事業者に転換する事業者の補助上限を50万円上乗せ。
(通常、上限は50~200万円、補助率2/3(一部3/4)。赤字事業者の補助率引上げ(3/4)は継続)。
IT導入補助金(中小企業の業務効率化やDXを推進するため、ITツール等の導入費用を支援)
○インボイス対応に必要なITツール導入促進のため、クラウド利用料(2年分)やハード(PC等)購入の補助対象化、補助率引上げ(1/2→2/3~3/4)を継続(デジタル化基盤導入枠)。
○また、安価なツール導入も支援するため、補助下限額(5万円)を撤廃。
事業承継・引継ぎ補助金(事業承継・引継ぎにかかる設備投資や販路開拓、専門家活用、廃業費等を支援)
○「経営革新事業」では、事業終了時に事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上等であれば、補助上限額を600万円→800万円へと引上げ(補助率は1/2~2/3)。
○(現経営者のみならず)後継者による取組も補助対象とし、事業承継の早期化・円滑化を推進。
■5.円安環境への対応、相談体制強化【196億円+α】
<円安環境への対応>
<輸出促進>
・中小企業国際化総合支援事業【5.4億円】
○海外展開を目指す中小企業等1万者支援に向けて、中小機構が戦略立案・具体化等を伴走型ハンズオンで支援。
○販路開拓等を支援するJETRO事業(海外市場開拓・有志国サプライチェーン構築等促進事業190億円の内数)とも連携。
<インバウンド>
・面的地域価値の向上・消費創出事業【10億円】
○成長意欲のある商店街等による、自らの魅力・地域資源等を活かした滞留・交流空間の整備や、消費を創出するための事業等を支援。
<相談体制の強化>
<インボイス・物価高対応>
・事業環境変化対応型支援事業【113億円】
○商工会・商工会議所等の相談対応の強化や指導員向け講習、よろず支援拠点コーディネーター増員等による体制強化。地域企業のDX促進。
○省エネ対策は、「省エネ補助金(国庫債務負担行為含め総額1,625億円)」「中小企業等に向けた省エネルギー診断強化事業(20億円)」とも連携。
<再生・事業承継>
・中小企業活性化・事業承継支援事業【67億円】
○計画策定支援、事業承継のマッチング・診断のため、各都道府県にある中小企業活性化協議会及び事業承継・引継ぎセンターの体制を拡充。
■6.災害からの復旧・復興【209億円】
○被災地域の速やかな復旧及び復興を支援するため、令和2年7月豪雨に対するなりわい補助金、令和3年及び令和4年福島県沖地震に対するグループ補助金を引き続き措置。
詳しくは下記参照先をご覧ください。
- 参照ホームページ [ 中小企業庁 ]
- https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/index.html