【インボイス発行事業者の登録申請が4月1日以後もOKに】
国税庁は、インボイス制度特設サイトに、「登録申請書の令和5年4月1日以後の提出について」を掲載。登録申請期限である3月31日後の申請の取り扱いについて解説しています。10月1日からスタートする消費税の仕入税額控除の方式としてのインボイス制度において、適格請求書(インボイス)を発行できるのは「適格請求書発行事業者」に限られ、この適格請求書発行事業者になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。
10月1日から登録を受けようとする場合、原則として令和5年3月31日までに登録申請する必要があり、この期限を過ぎた場合には、期限内提出が「困難な事情」を記載した登録申請書を令和5年9月30日までに提出することで、10月1日に登録を受けたものとみなされることが可能とされています。
こうした中、令和5年度税制改正では、インボイス制度のスムーズな導入に向けて取扱いを一部変更。これを受け国税庁は、インボイス特設サイトで4月1日以後の登録申請についての解説を掲載したものです。
令和5年度税制改正では、
(1)適格請求書発行事業者となる小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置
(2)基準期間における課税売上高が1億円以下等である事業者の一定期間内の課税仕入に係る支払対価が1万円未満である場合の帳簿保存要件に関する経過措置
(3)売上に係る対価の返還等に係る税込価額が1万円未満である場合には、その適格返還請求書の交付義務を免除
(4)適格請求書発行事業者登録制度
についての見直しが行われました。
これらの改正の趣旨等を踏まえ、申請期限後に提出する登録申請書に記載する「困難な事情」については、運用上、記載がなくとも改めて求めないこととされています。
つまり、施行日(令和5年10月1日)に登録を受けようとする事業者が、申請期限である令和5年3月31日後に提出する登録申請書の取扱いについては、この閣議決定に基づき、当該事業者が令和5年4月1日以後に「困難な事情」の記載がない登録申請書が提出されたとしても、令和5年9月30日までの申請については、インボイス制度が開始する令和5年10月1日を登録開始日として登録されることとなります。
なお、免税事業者が令和5年10月2日以後の日の登録を希望する場合には、登録申請書に登録希望日を記載する必要があります。
国税庁では、インボイス制度への対応には事業者において各種準備が必要となるほか、登録通知が届くまで一定の期間を要するため、登録を希望する場合は早めの申請をするよう呼びかけています。
【参考】
登録申請書の令和5年4月1日以後の提出について、令和4年12月23日に「令和5年度税制改正の大綱」が閣議決定され、インボイス制度について、以下の方針が示されました。
○ 「令和5年度税制改正の大綱」の抜粋
四 消費課税
1 適格請求書等保存方式に係る見直し
(国 税)
(1)適格請求書発行事業者となる小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置
(省略)
(2)基準期間における課税売上高が1億円以下又は特定期間における課税売上高が5,000万円以下である事業者が、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間に国内において行う課税仕入れについて、当該課税仕入れに係る支払対価の額が1万円未満である場合には、一定の事項が記載された帳簿のみの保存による仕入税額控除を認める経過措置を講ずる。
(3)売上げに係る対価の返還等に係る税込価額が1万円未満である場合には、その適格返還請求書の交付義務を免除する。
(省略)
(4)適格請求書発行事業者登録制度について、次の見直しを行う。
(省略)
(注)上記の改正の趣旨等を踏まえ、令和5年10月1日から適格請求書発行事業者の登録を受けようとする事業者が、その申請期限後に提出する登録申請書に記載する困難な事情については、運用上、記載がなくとも改めて求めないものとする。
(注)免税事業者の方が令和5年10月2日以後の日の登録を希望する場合には、登録申請書に登録希望日を記載する必要があります。
※登録申請書を提出した日における平均的な登録処理期間については、
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/kensu_kikan.pdf
をご参照ください。
インボイス制度の開始に伴い、事業者の方が適格請求書(インボイス)を交付するためには、納税地を所轄する税務署長に対して登録申請書を提出し、適格請求書発行事業者になる必要があります。
税務署における審査を経て、適格請求書発行事業者として登録された場合、「登録通知書」(登録番号や公表情報等が記載されています。)を送付します。
詳しくは下記参照先をご覧ください。