【挑戦する中小企業応援パッケージを策定(財務省・経産省・金融庁)】
中小企業の持続的成長を支援するべく、財務省・経済産業省・金融庁が連携の上、「挑戦する中小企業応援パッケージ」を策定しました。今後は、このパッケージに基づき、挑戦する中小企業を応援する施策を展開していくということです。
同パッケージにおいては、日本政策金融公庫等の資金繰り支援について、
・新型コロナ対策資本性劣後ローンの限度額を引上げの上、申込期限を令和6年3月末まで延長
・スーパー低利・無担保融資の金利引下げ幅を縮小しつつ、申込期限を令和6年3月末まで延長
・物価高騰対策のセーフティネット貸付における金利引下げ措置の申込期限を令和6年3月末まで延長
することとされています。
1.将来の挑戦に向けたコロナ資金繰り支援
経済環境の変化を踏まえた資金繰り支援を行う観点から、セーフティネット保証4号の新規融資のみでの利用は本年9月末で終了とし、借換目的での利用を当面は本年12月末まで継続します。
また、日本政策金融公庫による資金繰り支援について、コロナ資本性劣後ローンは貸付限度額を引上げの上、来年3月末まで申込期限を延長するとともに、スーパー低利・無担保融資は、金利引下げ幅を縮小しつつも、同様に来年3月末まで申込期限を延長します。
あわせて、物価高騰対策のセーフティネット貸付における金利引下げ措置についても、来年3月末まで申込期限を延長します。
①セーフティネット保証4号100%保証の借換目的での利用継続(新規融資のみでの利用は23年9月末で終了)【当面は23年12月末まで】
②事業再構築等への挑戦を応援すべく、日本公庫等の資本性劣後ローンの限度額引上げ10億円15億円)、延長【24年3月末まで】
③日本公庫等のスーパー低利融資を、金利引下げ幅は縮小(▲0.9 → ▲0.5の上、延長【24年3月末まで】
④物価高騰対策のセーフティネット貸付の金利引下げ措置を延長【24年3月末まで】
2.挑戦する中小企業の経営改善・再生支援の強化
挑戦意欲がある中小企業の経営改善や再生支援を加速すべく、関係者一丸となって経営改善・再生支援を進められるよう、「挑戦する中小企業の経営改善・再生支援強化会議」(仮称)を設置し、官民金融機関による取組状況等をきめ細かくフォローします。
また、信用保証協会と民間金融機関との連携による経営改善支援を強化するため、「早期経営改善計画策定支援事業」等について、100%保証先等に、民間金融機関も一定の条件で利用を認めるなどの措置を講じます。
加えて、商工組合中央金庫による危機対応融資のDES(債務の株式化)による再生支援を可能とするなど再生支援の強化に取り組みます。あわせて、中小企業活性化協議会の体制強化などにより再チャレンジ支援の強化にも取り組みます。
なお、経営者保証の提供を選択できる信用保証制度において、時限的な保証料負担軽減策を検討するなど、経営者保証改革の促進にも取り組みます。
経営改善・再生支援の体制整備
・関係者一丸となった経営改善・再生支援を進めるため、「挑戦する中小企業の経営改善・再生支援強化会議」(仮称)を設置。
・官民金融機関による経営改善・再生支援の取組状況等をきめ細かくフォロー。
【経営改善フェーズ】
①信用保証協会による経営改善支援の強化
・民間金融機関等との連携による支援を強化するため、協会向けの監督指針を改正。【2024年度】
②民間金融機関による経営改善支援の促進
・「早期経営改善計画策定支援事業」(支援費用の2/3を補助)等について、100%保証先等に、民間金融機関も一定の条件で利用を認める。【2024年度】
③経営者保証改革の促進
・保証料上乗せにより経営者保証の提供を選択できる信用保証制度において、時限的な保証料負担軽減策を検討。【2024年度】
・金融機関が経営者保証を徴求する手続に対する監督強化など「経営者保証改革プログラム」の実行、事業成長担保権の創設。【2023年度法案提出を目指す】
【再生フェーズ】
①商工中金の危機対応融資先への支援強化
・危機対応融資を活用した事業者に対して、DES(債務の株式化)による再生支援を可能とする。【2023年10月】
②事業再生ガイドラインの運用改善等
・第三者支援専門家補佐人の選定要件(対象債権者の全員同意)の緩和の検討等。
・ガイドラインの活用事例の公表。【2023年10月】
③コロナ資本性劣後ローンの運用明確化
・私的整理時であっても一定の場合(例:民間金融機関が協調融資の際に既存債権を劣後化している場合)には、劣後化されることがあり得ることを明確化。【2023年10月】
【再チャレンジフェーズ】
①中小企業活性化協議会の体制強化
・円滑な再チャレンジを支援するため、協議会の弁護士数を倍増開始26名50名)。【2023年度】
②廃業時の取扱いの明確化
・廃業手続の早期着手により、手元に残せる資産が増加する可能性があること等を明確化(「廃業時における経営者保証ガイドラインの基本的考え方」の改定の検討)。
・保証人の自己破産回避に向けた好事例の公表。【2023年】
③求償権消滅保証の運用改善
・金融取引を正常化させる求償権消滅保証の利用時の計画の対象に、「経営改善計画策定支援事業」による計画も含める。【2023年10月】
詳しくは下記参照先をご覧ください。