【「カスタマーハラスメント事例集」が公表】
厚生労働省から、「第9回 雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会」の資料が公表されています。今回の議題は、ハラスメントに関する施策の方向性などでした。参考資料として「カスタマーハラスメント事例集」が公表されています。この事例集は、本検討会においてヒアリングをした団体・企業等から紹介のあった事例等について、日本標準産業分類に基づき、業種別に事務局で整理をしたものとなっています。
■論点(案)
ハラスメントの現状と対応の方向性
(1)ハラスメントの現状
〇現行法上、ハラスメントは「セクシュアルハラスメント」「妊娠・出産等に関するハラスメント」「育児休業等に関するハラスメント」「パワーハラスメント」の4種類について、防止等に係る事業主の措置義務等が法制化されている。
〇立法趣旨はそれぞれのハラスメントによって異なるが、法律上、「①事業主に雇用管理上の措置義務を課す」、「②国、事業主、労働者に責務を課す」、という構成となっている。
〇厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査」(令和5年度)(以下「厚労省令和5年度調査」という。)によると、調査対象企業のうち相談があった企業の割合は、パワーハラスメントが64.2%、セクシュアルハラスメントが39.5%、顧客等からの著しい迷惑行為が27.9%となっている。また、ハラスメントの種類ごとに、相談があったもののうち、企業が「実際にハラスメントに該当する」と判断したものの割合は、顧客等からの著しい迷惑行為が86.8%、セクシュアルハラスメントが80.9%、パワーハラスメントが73.0%となっている。
〇しかし、厚労省令和5年度調査によると、ハラスメントの取組を進める上での課題を企業に尋ねたところ、「ハラスメントかどうかの判断が難しい」とする企業は、厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査」(令和2年度)(以下「厚労省令和2年度調査」という。)の65.5%から低下したものの、59.6%となっており、企業実務においてハラスメントに該当するかどうかが大きな課題となっていることがうかがわれる。また、「管理職の意識が低い/理解不足」が23.8%と2番目に高くなっている。
〇厚労省令和5年度調査によると、ハラスメントの種類ごとに労働者が受けた経験は、パワーハラスメントは19.3%、顧客等からの著しい迷惑行為は10.8%、セクシュアルハラスメントは6.3%と、厚労省令和2年度調査から低下傾向にある。これは、パワーハラスメントの法制化やカスタマーハラスメントについては企業対策マニュアルを策定する等の各種の取組の効果もあると考えられる。
〇また、都道府県労働局におけるハラスメントの相談件数をみると、以下のような状況がみられる。なお、この相談件数は、労働者からの相談のみならず、企業等からの制度に関する照会なども含むものである。
①セクシュアルハラスメントは7,000件前後で推移。
②平成28年に法制化した妊娠・出産等に関するハラスメントは施行当初は制度の問い合わせ等で増えたが、近年は2,000件前後で推移。
③平成28年に法制化した育児休業等に関するハラスメントは施行当初は制度の問い合わせ等で増えたが、近年は育児休業等に関するハラスメントは2,000件前後、介護休業等に関するハラスメントは1,000件前後で推移。
④令和元年に法制化したパワーハラスメントは令和4年度に増加しているが、令和4年4月に中小企業においても施行したことを受けたものであること(令和3年度 23,366件→令和4年度 50,840件)。
〇都道府県労働局への相談件数は増加しているが、是正指導件数は令和2~4年度において減少している。これは新型コロナ対応のため、報告徴収件数が減少したことによるものと考えられる。
〇都道府県労働局長への紛争解決援助申立件数、調停申請受理件数はパワーハラスメントが圧倒的に多く、増加傾向にあるが、セクシュアルハラスメント、妊娠・出産等に関するハラスメント、育児休業等に関するハラスメントは一定程度で推移している。
〇また、ハラスメント周辺の事象についても社会的に関心を集めている。例えば、自爆営業(使用者が、労働者に対し、当該労働者の自由な意思に反して当該使用者の商品・サービスを購入させること)への対応といったことも求められている。
カスタマーハラスメント
〇カスタマーハラスメント(顧客等からの著しい迷惑行為等)については、令和2年にパワハラ防止指針に事業主が取り組むことが望ましい事項として明記された。令和3年に「顧客等からの著しい迷惑行為の防止対策の推進に係る関係省庁連携会議」を開催し、令和4年に「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」(以下、「対策企業マニュアル」という。)を作成した。この対策企業マニュアルを参考にしつつ、現在、業界団体や事業者において対応マニュアルを策定するなどの動きがみられる。
〇厚労省令和5年度調査によると、カスタマーハラスメントを受けた労働者は全労働者のうち10.8%となっており、パワーハラスメントよりは少ないが、セクシュアルハラスメントよりは多い状況にある。また、カスタマーハラスメントを受けた経験を接客頻度別にみると、ほとんど顧客等と接することがない者は5.3%であるのに対して、勤務日はほぼ毎日顧客等に接している者は17.4%という状況である。接客頻度が高くなるとカスタマーハラスメントを経験する割合が高くなっている。
○厚労省令和5年度調査によると、カスタマーハラスメントの行為者は、「顧客等(患者またはその家族等を含む)」が82.3%、「取引先等の他社の従業員・役員」が22.6%となっている。
〇厚労省令和5年度調査によると、過去3年間に受けた顧客等からの著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)の内容としては、「継続的な(繰り返される)、執拗な(しつこい)言動(頻繁なクレーム、同じ質問を繰り返す等)」が57.3%、「威圧的な言動(大声で責める、反社会的な者とのつながりをほのめかす等)」が50.2%等である。また、カスタマーハラスメントを受けた労働者の大半が、「怒りや不満、不安などを感じた」り、「仕事に対する意欲が減退し」ており、被害労働者の心身への影響がみられる。
〇「顧客や取引先から無理な注文を受けた」、「顧客や取引先からのクレームを受けた」ことによる労災認定もある。そのうち、被害労働者が自殺した事案もある。また、令和5年9月に心理的負荷による精神障害の労災認定基準が改正され、業務による心理的負荷評価表の具体的出来事に「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」(いわゆるカスタマーハラスメント)が明記された。
〇一方で、厚労省令和5年度調査によると、企業側の対応として、相談体制の整備、被害労働者へのメンタルヘルス不調への対応等に取り組む企業は一定数みられるが、「特にない」としている企業は従業員規模1000人以上の企業においても37.2%、企業規模が小さくなるとその割合は高い状況(300~999人規模企業:48.9%、100~299人規模企業:62.0%、99人以下規模企業:73.8%)にある。
〇厚労省令和5年度調査によると、カスタマーハラスメント対策に積極的に取り組んでいる企業は、取り組んでいない企業と比べると、カスタマーハラスメント被害は少ない状況にある(「積極的に取り組んでいる企業」におけるカスタマーハラスメントを受けた経験は12.8%であるのに対して、「あまり取り組んでいない企業」におけるカスタマーハラスメントを受けた経験は23.1%)。
【カスタマーハラスメント事例集】
検討会においてヒアリングをした団体・企業等から紹介のあった事例等について、日本標準産業分類に基づき、業種別に事務局で整理をしたもの。
1情報通信業
・顧客が(サポートデスクに)「可愛らしいね、ずっと話していたいよ」「癒やされるね」「下の名前も教えて」とセクハラにあたる言葉をかけた。
・顧客が(サポートデスクに)「徹夜で明日までにバグを開発チームと直せ」「2000万払え」といった過剰な要求を行った。
・顧客が(サポートデスクに)「あたまわるいうえに性格悪い」といった人格否定にあたる発言を行った。
・顧客が(サポートデスクに)「殺すぞ」「家に火をつけるぞ」と脅迫にあたる発言を行った。
・顧客が(サポートデスクに)「死ね」「馬鹿野郎」といった暴言を吐いた。
2運輸業、郵便業
・転見合わせ時に、お詫び放送を繰り返していたところ、旅客から「いつ発車するのか放送しろ」としつこく詰問を受けた。運転再開見込みがわからない旨を伝えたが、旅客は納得せずスマホで車掌の対応を無断で動画撮影した。
・コールセンターに同一人物から短時間に繰り返し入電があった。内容は「殺すぞ」「センターに行く」などの不穏な暴言のほか、無言・無応答の入電も100回以上あった(その後、殺人予告等により同人物は逮捕された)。
・旅客から「(電車が遅延したため)接続路線の最終電車に間に合わなかった。目的地までの一部区間はタクシーを利用した。その分を負担せよ。インターネットで流すぞ。社長もよく知っているぞ。」という苦情があった。社員は「タクシー代は負担できない」旨を繰り返し回答したが、納得しなかった。後日、当該旅客が同趣旨の要求を記載した書面を送付してきた。
・駅員がホームを巡回していたところ、点字ブロックの内側で撮影している旅客を発見した。危険であったため、下がるように注意喚起したが、そのまま続けたため再度注意喚起を行ったところ、「うるさい」「邪魔、どけ」と言いながら肘のあたりで突き飛ばされた。駅員は警察へ通報し、当該旅客と事情聴取を受けた後、被害届を提出した。
・駅員Aは、降車後ホームに居座ろうとした旅客を改札口へ向かうよう促していた。当該旅客は突然走り出し、ホームで泥酔者対応を行っていた駅員Bの左足甲部を背後から踏みつけたため、駅員Bは負傷した。さらに、駅員Aも背後から所持していた傘で臀部を突かれ負傷した。
・駅近隣のマンション居住者よりお客さまセンターに入電があり、「駅改修を行ったことで、以前にはなかった駅前スペースができ、ベンチが設置され、深夜まで喫煙や飲酒する者が増え、煙草の臭いや騒いでいる人がいるため迷惑している。」「駅前のスーパーのトラックが路上駐車をするようになった。」「改修工事を行うにあたり、このようなことを想定していなかったのが責任。早急に対策をしろ。」と、長時間にわたり何度も要求を繰り返し、時には暴言を吐いた。
3卸売業、小売業
・顧客がプリペイドカードを購入後、返金を申し出たが、従業員が店舗で返金できない商品である旨を説明したところ、「店長を出せ」「店長権限で返金しろ」など同じ内容で長時間(2時間30分)詰問した。翌日も店舗で同様のやりとりがあった後、当該企業の本社代表電話への架電、及び同社本社へも来訪し、クレームを述べた。
・顧客が20年前に購入した商品が動かなくなったと無償での修理を要求してきた。2日間、当該企業及び商品の輸入元へ執拗に架電し、長時間に渡り、「購入時にきちんとメンテナンスの説明を聞いていない」、「メンテナンスの注意書きを貰っていないため説明に落ち度がある」等と主張を続け、無償での修理を要求した。
・顧客が商品の洗浄について、洗浄、ふき取り、乾燥含めた工程が2時間かかることに激怒。「なぜ2時間もかかるのか説明しろ」等と、従業員を怒鳴り散らした。さらに2時間後、洗浄済みの商品を引き取りに来た際、「この商品は自分のものではなく、自分のものはもっと高額なものだ」「弁償しろ」等、終始支離滅裂な主張を繰り返した。
・顧客が従業員の手を触り、顔を近づけるなどした上で、繰り返し従業員の連絡先を聞いてきた。また、従業員が顧客に電話する際には、店舗からではなく従業員の携帯電話からかけるように強要した。
・顧客が揚げ足取りからの謝罪要求をしてきた。顧客の物品要求に対して従業員が対応出来ない旨を伝えると、土下座して謝らないと許さないと発言。従業員はそれを受け謝罪した。
・顧客がレジの接客態度が悪いことを理由に従業員を呼びつけ、従業員が到着すると胸ぐらを掴み15mほど引きずった上で、「俺は人を殺した事がある」などと発言し、暴力を振るった。従業員は警察を呼び対応した。
・顧客が購入した商品(時計)が不良品だったため修理受付を行ったが、顧客が納得しなかったため従業員は店舗で謝罪した。さらに、顧客が翌日自宅まで来て謝罪することを要求し、従業員は4日間深夜まで謝罪させられた。顧客はその間「誠意を見せろ!」の一点張りだった。対応した従業員はその後しばらくトラウマを抱え、売場に出ることに恐怖を感じた。
4宿泊業、飲食サービス業
・顧客が宿泊のたびに客室の清掃不備を指摘し、客室のグレードアップや顧客の前で清掃することを要求した。
・自動精算機での事前精算を案内されたことに不満を持った顧客が、従業員に対して大声で「おれは東京の不動産会社の社長だぞ」「お前なんかクビにしてやる」と発言。また、間に入った他の顧客に対しても暴言を吐いた。対応に加わった上役の従業員に対しても「名刺を出せ」と言い、差し出すとその場で破いた上で、「正座しろ」と要求。従業員がそれを断ったところ「キャンセルするぞ」等と言いつつ、最後は精算に応じた。さらに行き過ぎた暴言や他の顧客とのトラブルに発展することを懸念し、警察に相談後、返金と退館の対応を行った。
・顧客が半額シールの付いた弁当を自身の過失で落とし販売不可能な状態となった。従業員が衛生の観点でその商品は販売できない旨伝えたところ、その商品を販売するか、もしくは他の商品を半額にすることを求め、店内で騒ぎ続けた。
・従業員が顧客にすぐに対応できない場合に大声をあげて威嚇した。
5生活関連サービス業、娯楽業
・顧客の安全を配慮し、サービス(靴の加工)を丁重に断ったところ、フロア全体に響き渡る程の大声で怒鳴り散らす、暴言を吐く、靴を投げる、椅子を叩くなど2時間にわたり威圧的行動を取った。また、それ以降も不定期にその顧客が売場を訪れ怒鳴り散らすことが続いており、従業員が怯えている。
6医療、福祉
・利用者が看護師をたたく、つねる、唾をはく、看護師にものを投げる、看護に必要な物品を破損する等した。
・利用者やその家族が看護師に「看護の内容が適切でない」と批判したり、処置やケアに対して「下手くそ」と発言したり、「ばかやろう!」「帰れ!」等大声で怒鳴りつけた。また、「お前じゃダメだ、いつもの人にして」と発言した。
・看護師が利用者やその家族から、体型や年齢のことをしつこく聞かれたり、卑猥な話を繰り返しされたり、ケアに関係なく体を触ることを強要されたり、体の一部を触られたりした。
・看護師が利用者やその家族から、訪問時間外に居宅外で会うことを強要される、事務所で待ち伏せされる、ウェブカメラ・スマートホンで無許可に撮影される、自宅の場所をしつこく聞かれる等の行為を受けた。
・調剤薬局にて顧客が順番待ち中に、先に待っている他の顧客がいるにも関わらず、「急げ」「早くしろ」と圧力をかけた。また、薬剤師が薬の説明を始めると、薬剤師に対して暴言を吐いた。
・薬を過剰に内服することを希望する患者に対し、薬剤師と従業員ができない理由を伝えたところ、「殺すぞ」と発言した。
・顧客が従業員を抱き寄せたり、腕を掴みベッドに引っ張ろうとした。また、「一緒に寝よう」「ちゅっちゅしてほしい」等と発言した。
・介護士が顧客から「胸を触らせろ」と言われたり、食事介助中に蹴られたりと怖い思いをした。介護士は同僚と相談し上司に報告したが、「触らせると納得するから、だまって受け入れれば落ち着く。恥ずかしがっても女なのだから仕方ない」等と言われた。
・コロナ禍において、入院患者の見舞いに訪れた人物に対して、面会禁止の旨を説明したが、「それはわかっているんだ、ばか!」と暴言を吐かれた。
【今後の対応の方向性】
①総論
・労働施策総合推進法第4条第15号において、国は「職場における労働者の就業環境を害する言動に起因する問題の解決を促進するために必要な施策を充実させる」ことについて、総合的に取り組まなければならないとされている。併せて、4種類のハラスメントに関しては、事業主に雇用管理上の措置義務等を課し、国、事業主、労働者それぞれに対して、労働者の就業環境を害する言動に対する関心と理解を深めるための責務規定を設けているが、このような現行の法制に関してどう考えるか。
・現在、事業主の雇用管理上の措置義務として法制化されている「セクシュアルハラスメント」、「妊娠・出産等に関するハラスメント」、「育児休業等に関するハラスメント」、「パワーハラスメント」に係るもののほか、これ以外のものも、個別事案に関しては、民法の不法行為や債務不履行を根拠として、損害賠償請求がなされていることについてどう考えるか。
・「ハラスメントかどうかの判断が難しい」とする企業割合は、低下しているものの約6割存在していることについてどう考えるか。また、労働局への相談は高止まりしているところ。こうした状況を踏まえ、企業のハラスメント防止対策の取組に資するために必要な国の支援策についてどう考えるか。
・企業におけるハラスメント防止対策に取り組む意義は、労働者の心身の安全を確保し、経営上の損失を防ぐことのみならず、職場内コミュニケーションの円滑化に資する等のメリットも考えられるのではないか。企業の一層の取組を促すために、それぞれのハラスメント対策を講ずることにどのような意義、メリットがあるかを企業に伝えることが効果的ではないか。
②カスタマーハラスメント
(対策強化の必要性)
・カスタマーハラスメント防止対策を強化する意義をどのように考えるか。労働者を守るという観点に加え、個別企業における働きやすい環境の整備が、労働者の確保・定着に資することや、業種、業界のイメージアップにつながることなど、広く取組を促進するための意義を整理するべきではないか。その際、対策を講じることが、消費者にとってもメリットがあるという整理ができないか。より幅広い取組を促すためにも、例えば、対策に取り組むことは、従業員を守ることだけでなく、本来有益なはずの消費者の声が様々な軋轢をもたらすことを防ぎ、問題の把握と解消に資するという視点を持つことも重要ではないか。
・これまでも、カスタマーハラスメント(顧客等からの著しい迷惑行為)については、パワハラ指針で明記するとともに、対策企業マニュアルを作成するなどの取組を行ってきたところ。こうした取組等の結果、労働者のカスタマーハラスメントの経験は減少傾向にあるが、勤務日にほぼ毎日顧客と接している者のうち17.4%はカスタマーハラスメントを経験している状況にあることや、従業員規模1000人以上の企業においても特段の対応に取り組んでいない企業が37.2%となっていること、対策に積極的に取り組んでいる企業ではカスタマーハラスメントの被害が少ない状況にあることに鑑み、どのような方策を講じることが効果的か。
【労働者保護の観点からの対策の必要性】
・対策の強化の方向性として、カスタマーハラスメント対策を法制化する場合、どのような対応が考えられるか。上司や同僚からのハラスメントと、顧客等からのハラスメントでは、その性格は異なるが、労働者の就業環境を害するものであるため、何らかの対策、配慮が必要という点では共通する部分があることを念頭に、労働者保護の観点からの法制化についてどのように考えるか。
一方で、パワーハラスメント等は行為者が企業内の労働者等であり、事業主が発生の予防、発生した場合の対応や再発防止など一連の対応を行うことができるが、行為者が顧客や取引先等の第三者であるカスタマーハラスメントの場合、必要となる対応をどのように考えるか。すでに事業主に課されているパワーハラスメント等に係る措置義務の内容とどのように異なってくるのか。
・現在、カスタマーハラスメント対策においては取引先も対象としているが、顧客と取引先では、第三者からのハラスメントという点で共通するものの、対応策等については異なる部分もあると考えられ、その点についてどのように考えるか。
・労働者保護の観点から法制化する場合であっても、消費者法制により定められている消費者の権利との関係に留意が必要ではないか。また、各業法等によりサービス提供の義務等が定められている場合や、業種・業態などによりサービス提供等における対応方法、基準等が異なる状況をどのように考えるか。
詳しくは下記参照先をご覧ください。
- 参照ホームページ [ 厚生労働省 ]
- https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40906.html