2024年11月12日 新着情報

公正取引委員会及び厚生労働省は、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和5年法律第25号。以下「本法」といいます。)の施行(令和6年11月1日)に向けて、特定受託事業者(フリーランス)に係る取引の状況の把握、本法に関する周知などの取組を進めているところです。

その一環として、公正取引委員会及び厚生労働省は、業務委託事業者及び特定受託事業者となり得る者双方において、本法で規定する義務及び禁止行為に関して自己点検をすることにより、改めて現状の取引実態を確認し、本法施行後の取引の適正化や就業環境の整備を促進するとともに、本法の施行後においては問題となり得る行為が行われている業種等を把握するため、令和6年5月から6月にかけて、関係府省庁と連携して「フリーランス取引の状況についての実態調査(法施行前の状況調査)」を実施し、今般、調査結果を取りまとめました。

「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024年改訂版」(令和6年6月21日閣議決定)では、問題事例の多い業種を抽出し、その結果を踏まえ、本年度内にこれらの業種に対する集中調査を実施することとされており、今後、本調査結果等も踏まえ、問題事例の多い業種を抽出し、本年度内に集中調査を実施するとのことです。

公正取引委員会及び厚生労働省は、引き続き、本法の更なる普及啓発を行うとともに、本法施行後、特定受託事業者に係る取引の適正化等が図られるよう、本法の迅速かつ適切な執行を行うものとしています。

■フリーランス取引の状況についての実態調査(法施行前の状況調査)結果 概要


【調査結果の概要】
<本法の認知度>

〇委託者側からの回答によると、「建設業」「医療、福祉」「農業、林業」の業種において、本法の認知度の割合が他の業種に比べて低い状況が見受けられた。

〇フリーランス側からの回答によると、「医療、福祉」「建設業」「学術研究、専門・技術サービス業」の業種において、本法の認知度の割合が他の業種に比べて低い状況が見受けられた。

(注)業種名は、回答者が委託又は受託した業務の具体的な業務内容に対応する業種を記載したものであって、必ずしも回答者自身が属する(通常行っている)業種と一致するものではない。

本法の内容を知らないという回答の割合は、委託者で54.5%、フリーランスで76.3%であった。(グラフ参照)
本法の認知度<取引条件の明示(本法第3条)>
〇委託者側からの回答によると、「建設業」「生活関連サービス業、娯楽業」「サービス業(他に分類されないもの)」の業種において、本法施行後に問題となり得る行為が行われている割合が他の業種に比べて高い状況が見受けられた。

〇フリーランス側からの回答によると、「建設業」「生活関連サービス業、娯楽業」「学術研究、専門・技術サービス業」の業種において、本法施行後に問題となり得る行為が行われている割合が他の業種に比べて高い状況が見受けられた。

本法第3条では、業務委託事業者が特定受託事業者に対し業務委託をした場合は、直ちに、取引条件(特定受託事業者の給付の内容、報酬の額、支払期日等)を書面又は電磁的方法により明示しなければならない旨を定めている。

(注)業種名は、回答者が委託又は受託した業務の具体的な業務内容に対応する業種を記載したものであって、必ずしも回答者自身が属する(通常行っている)業種と一致するものではない。

○取引条件を明示しなかったことがあるとの回答の割合は、委託者で17.4%、フリーランスで44.6%であった。(グラフ参照)
取引条件を明示しなかったことがあるとの回答の割合
本調査において寄せられた声(抜粋)
<フリーランスからの声>

・事前に契約書を作成するのは稀で多くは口約束。メール等の文字で証拠を残すことを嫌がる傾向がある。【情報通信業(映像・画像・音楽制作、編集)】

・大手は丁寧な対応をしてくださるが、それ以外は報酬が振り込まれるまで額が不明なこともある。【学術研究、専門・技術サービス業(通訳)】

・20年この仕事をしているが実写の場合は今も、期日の口約束のみ。【学術研究、専門・技術サービス業(ライティング、記事等執筆業務)】

・大手でもそもそも契約書を発行する雰囲気もないです。改善してほしいです。【生活関連サービス業、娯楽業(俳優、女優、モデル)】

・サイン/捺印がある契約書を交わすことが、業務終了時にきます。意味がありません。【学術研究、専門・技術サービス業(カメラマン)】

<委託者からの声>
・個人タレントへの出演依頼等の際、契約書を交わしていない事例が散見されるため、是正したい。【生活関連サービス業、娯楽業(俳優、女優、モデル)】

・従業員としてではなく作図、計算書等の作業単位で書面等による取引条件を明示して業務委託をしています。【学術研究、専門・技術サービス業(建築設計、土木設計、測量技術)】


<報酬の支払期日(本法第4条)・特定業務委託事業者の遵守事項(本法第5条)>
〇委託者側からの回答によると、「サービス業(他に分類されないもの)」「建設業」「宿泊業、飲食サービス業」「医療、福祉」の業種において、本法施行後に問題となり得る行為が行われている割合が他の業種に比べて高い状況が見受けられた。

〇フリーランス側からの回答によると、「情報通信業」「生活関連サービス業、娯楽業」「学術研究、専門・技術サービス業」の業種において、本法施行後に問題となり得る行為が行われている割合が他の業種に比べて高い状況が見受けられた。

(注)業種名は、回答者が委託又は受託した業務の具体的な業務内容に対応する業種を記載したものであって、必ずしも回答者自身が属する(通常行っている)業種と一致するものではない。

本法第4条では、特定受託事業者の給付を受領した日から60日以内のできる限り短い期間内に報酬の支払期日を設定し、当該期日までに報酬を支払わなければならない旨を定めている。
報酬の支払期日(本法第4条)・特定業務委託事業者の遵守事項(本法第5条)
本調査において寄せられた声(抜粋)
<フリーランスからの声>

・老舗出版社では、その出版物刊行後に支払う慣習が未だ横行しており60日ルールが浸透していない。【学術研究、専門・技術サービス業(アニメーター、イラストレーター)】

・先方都合で案件がペンドとなり支払いもされていないものがある。【学術研究、専門・技術サービス業(ライティング、記事等執筆業務)】

・仕事をしても勉強だからとギャラ不払いが過去に何度もあった。【生活関連サービス業、娯楽業(俳優、女優、モデル)】

・出版業界の慣習なのか、支払いが遠い。2月に撮影し納品したが、使用するのが来年になるので支払いは来年(になっている)【その他】

<募集情報の的確な表示(本法第12条)>
〇委託者側からの回答によると、「宿泊業、飲食サービス業」「建設業」「卸売業、小売業」「医療、福祉」の業種において、本法施行後に問題となり得る行為が行われている割合が他の業種に比べて高い状況が見受けられた。

〇フリーランス側からの回答によると、「生活関連サービス業、娯楽業」「情報通信業」「学術研究、専門・技術サービス業」「運輸業、郵便業」の業種において、本法施行後に問題となり得る行為が行われている割合が他の業種に比べて高い状況が見受けられた。

<育児介護等の配慮(本法第13条)>
〇委託者側からの回答によると、本法施行後に問題となり得る行為が行われているとの回答はなかった。

〇フリーランス側からの回答によると、「情報通信業」「サービス業(他に分類されないもの)」「教育・学習支援」の業種において、本法施行後に問題となり得る行為が行われている割合が他の業種に比べて高い状況が見受けられた。

<ハラスメント対策(本法第14条)>
〇委託者側からの回答によると、「農業・林業」「製造業」「建設業」「サービス業(他に分類されないもの)」の業種において、本法施行後に問題となり得る行為が行われている割合が他の業種に比べて高い状況が見受けられた。

〇フリーランス側からの回答によると、「建設業」「サービス業(他に分類されないもの)」「学術研究、専門・技術サービス業」の業種において、本法施行後に問題となり得る行為が行われている割合が他の業種に比べて高い状況が見受けられた。

<中途解除等の事前予告(本法第16条)>
〇委託者側からの回答によると、「宿泊業、飲食サービス業」「建設業」「製造業」「農業、林業」「学術研究、専門・技術サービス業」の業種において、本法施行後に問題となり得る行為が行われている割合が他の業種に比べて高い状況が見受けられた。

〇フリーランス側からの回答によると、「卸売業、小売業」「情報通信業」「生活関連サービス業、娯楽業」「教育・
学習支援」の業種において、本法施行後に問題となり得る行為が行われている割合が他の業種に比べて高い状況が見受けられた。

(注)業種名は、回答者が委託又は受託した業務の具体的な業務内容に対応する業種を記載したものであって、必ずしも回答者自身が属する(通常行っている)業種と一致するものではない。



上記のように調査結果からは、いくつかの業種で取引条件の明示や報酬の支払期日などに関する問題が多く見受けられました。例えば、建設業や医療・福祉業界では、法律の認知度が低く、問題行為が多いことが指摘されています。

この調査は、フリーランスの取引環境を改善するための重要なステップであり、今後の法施行に向けて具体的な対策が求められます。特に、問題の多い業種に対する集中調査が予定されており、これにより取引の適正化が進むことが期待されます。

このような調査結果を踏まえ、フリーランスとして働く方々がより良い環境で仕事ができるよう、引き続き改善が求められます。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ [ 厚生労働省 ]
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44359.html
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