【労務】10月は「年次有給休暇取得促進期間」です
厚生労働省では、年次有給休暇を取得しやすい環境整備を促進するため、平成26年度から10月を「年次有給休暇取得促進期間」としています。政府は、2020 年までのその取得率の目標値を70%としていますが、直近の取得率は47.6%(平成26年)となっており、近年は50%を下回る水準で推移しています。
■年次有給休暇取得促進の概要
◎なぜ年次有給休暇の取得率が低いか?
・ためらいを感じる・・・・・・24.8%
・ややためらいを感じる・・・・43.5%
・あまりためらいを感じない・・22.4%
・全くためらいを感じない・・・8.4%
◎ためらいを感じる理由は?(複数回答)
・みんなに迷惑がかかると感じるから・・・74.2%
・後に多忙になるから・・・・・・・・・・44.3%
・職場の雰囲気で取得しづらいから・・・・30.7%
・上司がいい顔をしないから・・・・・・・15.3%
・昇格や査定に影響があるから・・・・・・9.9%
※資料出所:労働時間等の設定の改善を通じた「仕事と生活の調和」の実現及び特別な休暇制度の普及促進に関する意識調査(平成26年)
◇なぜ休暇の取得が必要なのでしょうか?
・仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現のためには、労働時間や休日数、年次有給休暇の取得状況など従業員の健康と生活に配慮し多様な働き方に対応したものへ改善することが重要。
・計画的な年次有給休暇の取得により、「生産性の向上」、「企業イメージの向上」および「優秀な人材の確保」等が期待されること。
・反対に、年次有給休暇をしっかり取得できないと、「労働者のストレス増加」、「職場の雰囲気の悪化」、「残業等のコスト増加」が見込まれること。
◇休暇取得に向けた環境づくりに取り組みましょう!
(1)年次有給休暇を取得しやすい環境整備
経営者の主導のもと、取得の呼びかけなどによる年次有給休暇を取得しやすい雰囲気づくりや、労使の年次有給休暇に対する意識改革をしましょう。
(2)労使の話し合いの機会をつくる
年次有給休暇の取得状況を確認するとともに、取得率向上に向けた具体的な方策を話し合いましょう。
★プラスワン休暇を実施
労使協調のもと、土日、祝日に年次有給休暇を組み合わせて、3日(2日)+1日以上の休暇を実施。
◇休暇の計画的な取得のために、事業場全体の年間計画に年次有給休暇を組み込みましょう!
<年次有給休暇の「計画的付与制度」とは>
年次有給休暇の付与日数のうち、5日を除いた残りの日数については、 労使協定を結べば、計画的に年次有給休暇取得日を割り振ることができる制度です。
この制度を導入している企業は、導入していない企業よりも年次有給休暇の平均取得率が8.1ポイント高いという調査結果もあります。この制度を導入することによって年次有給休暇が取りやすくなると考えられます。
(1)導入のメリット
事業主:労働管理がしやすく計画的な業務運営が可能。
従業員:ためらいを感じずに、年次有給休暇を取得可能。
(2)日数
付与日数から5日を除いた残りの日数を計画的付与の対象に可能。
参照ホームページ[厚生労働省]http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000135523.html