【育児介護】改正育児・介護休業法&改正男女雇用機会均等法について
仕事と家庭の両立ができる働き方の実現を目指し、平成28年3月に育児・介護休業法が改正されました。平成29年1月1日から事業規模の大小に係らず全面適用となりますので、自社の就業規則・社内規程等の見直しが必要となります。
1.仕事と介護の両立支援制度の見直し
◎介護休業の分割取得
改正前 | 改正後 |
介護休業について、介護を必要とする家族(対象家族)1人につき、通算93日まで原則1回に限り取得可能 | 取得回数の実績を踏まえ、介護の始期、終期、その間の期間にそれぞれ対応するという観点から、対象家族1人につき通算93日まで3回を上限として介護休業の分割取得を可能とする。 |
◎介護休暇の取得単位の柔軟化
改正前 | 改正後 |
介護休暇について1日単位での取得 | 半日(所定労働時間の2分の1)単位の取得を可能とする。 <日常的な介護ニーズに対応> 子の看護休暇と同様の制度 |
※介護休暇とは?
要介護状態にある対象家族の介護その他の世話を行う労働者(日々雇用される方を除く)は、1年に5日(対象家族が2人以上の場合は10日)まで、介護その他の世話を行うための休暇の取得が可能です。
◎介護のための所定労働時間の短縮措置等
改正前 | 改正後 |
介護のための所定労働時間の短縮措置等(選択的措置義務)について、介護休業と通算して93日の範囲内で取得可能 | 介護休業とは別に、利用開始から3年の間で2回以上の利用が可能 |
※介護のための所定労働時間の短縮措置等(選択的措置義務)とは?
事業主は、要介護状態にある対象家族の介護をする労働者に関して、対象家族1人につき、以下のうちいずれかの措置を選択して講じなければならないとされています。
ア.所定労働時間の短縮措置
イ.フレックスタイム制度
ウ.始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ
エ.労働者が利用する介護サービス費用の助成その他これに準じる制度
◎介護のための所定外労働の制限(残業の免除)
改正前 | 改正後 |
なし | 介護終了までの期間について請求することのできる権利として新設する。 <日常的な介護ニーズに対応> ・当該事業主に引き続き雇用された期間が1年未満の労働者等は、労使協定により除外できる。 ・1回の請求につき1月以上1年以内の期間で請求でき、事業の正常な運営を妨げる場合には事業主は請求を拒否できる。 |
◎有期契約労働者の介護休業の取得要件の緩和
改正前 | 改正後 |
①当該事業主に引き続き雇用された期間が過去1年以上であること、 ②休業開始予定日から93日を経過する日以降も雇用継続の見込みがあること、 ③93日経過日から1年経過する日までの間に更新されないことが明らかである者を除く | ①当該事業主に引き続き雇用された期間が過去1年以上であること、 ②93日経過日から6か月を経過する日までの間に、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでない者 とし、取得要件を緩和する。 |
◎介護休業等の対象家族の範囲の拡大【省令事項】
改正前:配偶者、父母、子、配偶者の父母、同居かつ扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫
改正後:配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹及び孫
2.仕事と育児の両立支援制度の見直し
◎子の看護休暇の取得単位の柔軟化
改正前 | 改正後 |
子の看護休暇について1日単位での取得 | 半日(所定労働時間の2分の1)単位の取得を可能とする。 ※所定労働時間が4時間以下の労働者については適用除外とし、1日単位。 ※業務の性質や業務の実施体制に照らして、半日を単位として取得することが困難と認められる労働者は、労使協定により除外できる。 ※労使協定により、所定労働時間の2分の1以外の「半日」とすることができる。(例:午前3時間、午後5時間など) |
◎有期契約労働者の育児休業の取得要件の緩和
改正前 | 改正後 |
申出時点で、以下の要件を満たす場合に育休の取得が可能 ①過去1年以上継続して雇用されていること ②子が1歳になった後も雇用継続の見込みがあること ③子が2歳になるまでの間に雇用契約が更新されないことが明らかである者を除く | ①当該事業主に引き続き雇用された期間が過去1年以上であること、 ②子が1歳6か月になるまでの間に、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでないもの とし、取得要件を緩和する。 |
◎育児休業等の対象となる子の範囲
改正前 | 改正後 |
法律上の親子関係である実子・養子 | 特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子といった法律上の親子関係に準じると言えるような関係にある子については育児休業制度等の対象に追加する。 ※法律上の親子関係に準ずる子については、省令で規定 |
3.妊娠・出産・育児休業・介護休業をしながら継続就業しようとする男女労働者の就業環境の整備
改正前 | 改正後 |
事業主による妊娠・出産・育児休業・介護休業等を理由とする不利益取扱いは禁止 | ・妊娠・出産・育児休業・介護休業等を理由とする、上司・同僚などによる就業環境を害する行為を防止するため、雇用管理上必要な措置を事業主に義務づける。 ・派遣先で就業する派遣労働者については、派遣先も事業主とみなして、上記防止措置義務を適用する。また事業主による育児休業等の取得等を理由とする不利益取扱いの禁止規定を派遣先にも適用する。 |
4.施行日
平成29年1月1日から全面施行されます。
参照ホームページ[厚生労働省] http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html