2017年02月10日 新着情報

わが国の非正規雇用労働者の賃金水準は欧州諸国と比べて低い状況にあり、不合理な待遇差の解消による非正規雇用労働者の待遇改善は重要な政策課題となっております。昨年末に、「同一労働同一賃金ガイドライン案」が公表されましたが、今後、国会審議等を踏まえて最終的に確定されます。

 

■同一労働同一賃金ガイドライン案の概要

当該ガイドライン案は、同一の企業・団体における、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差を是正することを目的としているため、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間に実際に待遇差が存在する場合に参照されることを目的としています。このため、客観的に待遇差が存在しない企業等については、当該ガイドライン案は対象としておりません。

 

当該ガイドライン案では、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、待遇差が存在する場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差は不合理なものでないのかが示されています。また、典型的な事例として整理できるものについては、問題とならない例・問題となる例という形で具体例が付されています。

【ガイドライン案の項目】

 Ⅰ.有期雇用労働者及びパートタイム労働者

基本給

(1)基本給について、労働者の職業経験・能力に応じて支給しようとする場合

(2)基本給について、労働者の業績・成果に応じて支給しようとする場合

(3)基本給について、労働者の勤続年数に応じて支給しようとする場合

(4)昇給について、勤続による職業能力の向上に応じて行おうとする場合

手当

(1)賞与について、会社の業績等への貢献に応じて行おうとする場合

(2)役職手当について、役職の内容、責任の範囲・程度に対して支給しようとする場合

(3)業務の危険度又は作業環境に応じて支給される特殊作業手当

(4)交替制勤務など勤務形態に応じて支給される特殊勤務手当

(5)精皆勤手当

(6)時間外労働手当

(7)深夜・休日労働手当

(8)通勤手当・出張旅費

(9)勤務時間内に食事時間が挟まれている労働者に対する食費の負担補助として支給する食事手当

(10)単身赴任手当

(11)特定の地域で働く労働者に対する補償として支給する地域手当

福利厚生

(1)福利厚生施設(食堂、休憩室、更衣室)

(2)転勤者用社宅

(3)慶弔休暇、健康診断に伴う勤務免除・有給保障

(4)病気休職

(5)法定外年休・休暇(慶弔休暇を除く)について、勤務期間に応じて認めている場合

その他

(1)教育訓練について、現在の職務に必要な技能・知識を習得するために実施しようとする場合

(2)安全管理に関する措置・給付

Ⅱ.派遣労働者

派遣元事業者は、派遣先の労働者と職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情が同一である派遣労働者に対し、その派遣先の労働者と同一の賃金の支給、福利厚生、教育訓練の実施をしなければならない。また、職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情に一定の違いがある場合において、その相違に応じた賃金の支給、福利厚生、教育訓練の実施をしなければならない。

 

参照ホームページ[厚生労働省] http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144972.html

 

 

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