【労務】平成27年の有給取得日数は8.8日で取得率48.7%に!
厚生労働省は、このほど平成28年「就労条件総合調査」結果を取りまとめ、公表しました。本調査は、わが国の民間企業における就労条件の現状を明らかにすることを目的としており、それによると、平成27年に民間企業の労働者が取得した有給休暇日数は8.8日で、取得率は48.7%となっています。
■平成28年「就労条件総合調査」概要
◎調査の時期
平成28年1月1日現在の状況についての調査。
ただし、年間については、平成27 年(又は平成26会計年度)1年間の状況について調査を実施。
◎調査事項
企業の属性、労働時間制度に関する事項、定年制等に関する事項、賃金制度に関する事項、労働費用に関する事項及び派遣労働者関係費用等に関する事項
◎調査客体数、有効回答数及び有効回答率
調査客体数:6,310社、有効回答数:4,520社、有効回答率:71.6%
◎年次有給休暇
(1)年次有給休暇の取得状況
平成27 年(又は平成26 会計年度)1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除く。)は、労働者1人平均18.1日、そのうち労働者が取得した日数は8.8日で、取得率は48.7%。
<企業規模別取得率>
・1,000人以上⇒54.7%
・300~999人⇒47.1%
・100~299人⇒44.8%
・30~99人⇒43.7%
(2)年次有給休暇の時間単位取得制度
年次有給休暇を時間単位で取得できる制度がある企業割合は、16.8%。
◎定年制
(1)定年制
定年制を定めている企業割合は、95.4%。定年制の定め方は、
・「一律に定めている」⇒98.2%
・「職種別に定めている」⇒1.6%
(2)一律定年制における定年年齢の状況
一律定年制を定めている企業について、「65歳以上」を定年年齢とする企業割合は16.1%。
<企業規模別>
・1,000人以上⇒6.7%
・300~999人⇒9.1%
・100~299人⇒11.6%
・30~99人⇒18.5%
<産業別>
サービス業(他に分類されないもの)⇒27.1%
医療・福祉⇒25.8%
運輸業・郵便業⇒22.5%
教育・学習支援業⇒20.1%
宿泊業・飲食サービス業⇒18.9%
(3)一律定年制における定年後の措置
ア.勤務延長制度及び再雇用制度の実施状況
一律定年制を定めている企業のうち、勤務延長制度若しくは再雇用制度又は両方の制度がある企業割合は94.1%。
<企業規模別>
・1,000 人以上⇒97.4%
・300~999人⇒97.2%
・100~299人⇒97.0%
・30~99人⇒92.9%
<産業別>
・鉱業・採石業・砂利採取業⇒100.0%
・金融業・保険業⇒98.8%
・電気・ガス・熱供給・水道業⇒98.5%
・複合サービス業⇒98.1
・宿泊業・飲食サービス業⇒87.2%※最も低い
◎派遣労働者の状況
(1)派遣労働者の受入状況
・平成27 年(又は平成26 会計年度)の派遣労働者の受入企業は31.3%となっており、受入企業の派遣労働者割合は12.6%。
・派遣労働者受入企業の「1 企業平均派遣労働者受入関係費用」は71,712 千円となっており、「1人1か月平均派遣労働者受入関係費用」は241,051 円。
(2)派遣労働者数の変化
3年前(平成25年1月)又は現在(平成28年1月)派遣労働者がいる企業は36.3%であり、そのうち、派遣労働者数が、
・「3年前と比べて増加した」企業⇒44.2%
・「3年前と比べて減少した」企業⇒34.4%
・「3年前と変わらない」⇒21.4%
産業別派遣労働者数の変化として「3年前と比べて増加した」企業等は、
・医療・福祉⇒56.7%
・複合サービス事業⇒54.7%
・情報通信業⇒51.1%
で5割を超え、13大産業で増加が減少を上回った
(3)派遣労働者が担当している業務の今後の予定
現在派遣労働者を受け入れている企業について、現在派遣労働者が担当している業務の今後3年間の予定(3つまでの複数回答)をみると、
・「引き続き派遣労働者を活用する」⇒77.2%
・「現在受け入れている派遣労働者を自社従業員として直接雇用する」⇒32.7%
・「現在受け入れている派遣労働者以外の者を新たに自社従業員として雇用する」⇒21.5%
参照ホームページ[厚生労働省]http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/16/index.html
やはり従業員数が少なくなればなるほど、休暇の取得率はどうしても下がってしまいますね。
代わりの人がいないということで休暇を取得できないと考える方も多そうです。
業務の遂行と休暇の取得、中小企業にとっては大きな課題ですね。