【助成金】生産性を向上させた企業に対し、労働関係助成金を割増します
今後労働力人口の減少が見込まれる中で経済成長を図っていくためには、個々の労働者が生み出す付加価値(生産性)を高めていくことが不可欠です。このため、企業における生産性向上の取組みを支援するため、生産性を向上させた企業が労働関係助成金(一部)を利用する場合、その助成額又は助成率を割増します。
以前もここで書きましたが、助成金の相談は民間の助成金支援サービスではなく、社労士事務所又は社労士法人に相談されることをオススメいたします。
■生産性要件
労働関係助成金は、助成金を申請する事業所が、次の方法で計算した「生産性要件」を満たしている場合に、助成の割増を行います。(具体的な助成額又は助成率は各助成金のパンフレット等をご覧下さい。)
助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、
・その3年前に比べて6%以上伸びていること。または、
・その3年前に比べて1%以上(6%未満)伸びていること(※)
(※)この場合、金融機関から一定の「事業性評価」を得ていること
「事業性評価」とは、都道府県労働局が、助成金を申請する事業所の承諾を得た上で、事業の見立て(市場での成長性、競争優位性、事業特性及び経営資源・強み等)を与信取引等のある金融機関に照会させていただき、その回答を参考にして、割増支給の判断を行うものです。
なお、「与信取引」とは、金融機関から借入を受けている場合の他に、借入残高がなくとも、借入限度額(借入の際の設定上限金額)が設定されている場合等も該当します。
「生産性」は次の計算式によって計算します。
なお、「生産性要件」の算定の対象となった期間中に、事業主都合による離職者を発生させていないことが必要です。
■「生産性要件」の具体的な計算方法(一般企業)
生産性要件を算定するための「生産性要件算定シート」を厚生労働省のホームページに掲載しています。これをダウンロードし、該当する勘定科目の額を損益計算書や総勘定元帳の各項目から転記することにより生産性を算定できます。
ダウンロードはこちらから↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137393.html
なお、助成金の支給申請に当たっては、各勘定科目の額の証拠書類(損益計算書、総勘定元帳など)の提出が必要となります。
■「生産性要件」が設定される助成金
労働関係助成金のうち生産性要件が設定される助成金は、雇用維持や障害者の雇用環境整備など一部の助成金を除いた以下の助成金が対象となります。
生産性要件の設定を設定している助成金は次のとおりです。(具体的な助成額又は助成率は各助成金のパンフレット等をご覧下さい。)
(再就職支援関係)
○労働移動支援助成金
早期雇入れ支援コース(※)、人材育成支援コース(※)、移籍人材育成支援コース(※)、中途採用拡大コース
(※)のコースは生産性要件が複数ある支給要件のひとつとなっています。
(雇入れ関係)
○地域雇用開発助成金
地域雇用開発コース
(雇用環境の整備関係)
○職場定着支援助成金
雇用管理制度助成コース、介護福祉機器助成コース、保育労働者雇用管理制度助成コース、介護労働者雇用管理制度助成コース
○人事評価改善等助成金
○建設労働者確保育成助成金
認定訓練コース、技能実習コース、雇用管理制度助成コース、登録基幹技能者の処遇向上支援助成コース、若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース、女性専用作業員施設設置助成コース
○65歳超雇用推進助成金
高年齢者雇用環境整備支援コース、高年齢者無期雇用転換コース
(仕事と家庭の両立関係)
○両立支援等助成金
事業所内保育施設コース、出生時両立支援コース、介護離職防止支援コース、育児休業等支援コース、再雇用者評価処遇コース、女性活躍加速化コース
(キャリアアップ・人材育成関係)
○キャリアアップ助成金
正社員化コース、人材育成コース、賃金規定等改定コース、諸手当制度共通化コース、選択的適用拡大導入時処遇改善コース、短時間労働者労働時間延長コース
○人材開発支援助成金
特定訓練コース、一般訓練コース、キャリア形成支援制度導入コース、職業能力検定制度導入コース
(最低賃金引き上げ関係)
○業務改善助成金
参照ホームページ[厚生労働省] http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137393.html