「運送業許可(介護タクシー)」についてよくあるご質問にお答えします。

「介護タクシー」とは具体的にどのようなものですか?
介護タクシーも通常のタクシーと同じく、一般乗用旅客自動車運送事業の許可を得て運送するタクシーですが、乗客が「身体に障がいのある方」、「介護保険で言う要介護、要支援認定を受けている方」、「肢体不自由、内部障がい、知的、精神障がいなどの障害を有するために単独での移動が困難な方であって、単独で公共交通機関を利用することが困難な方」に限られること、また、いわゆる流しができず、予約によってのみ利用できるタクシーです。このため、「福祉輸送限定」とも呼ばれます。介護タクシーのドアに「限定」などと表示されるのはこのためです。
運送業許可に関わる「介護タクシー」の手続きについて教えてください。
介護タクシーも、一般乗用旅客自動車運送事業の手続きが必要です。運転手(2種免許の保持者)、事業用の車両、事務所、車庫等を決めたうえで、許可申請、また法令試験の合格(8割以上で合格、ただし、関東運輸局管内では免除)により概ね2ヶ月で許可となります。また、あわせて運賃の認可申請を行います。車庫については、車両の大きさ+1mの大きさ、そして事業所から直線距離で2km以内に確保しなければなりません。また、車庫に対する接道は、通行に支障がないよう幅員やその証明書類の取得にも配慮する必要があるので、事前の調査が肝要です。また、事業用の車両は、車いすやストレッチャーのためのリフト、スロープ、寝台等の特殊な設備を設けた自動車、又は回転シート、リフトアップシート等の乗降を容易にするための装置を設けた福祉自動車のほか、ケア輸送サービス従事者研修やヘルパー研修などを修了した者が運転手となるか、同乗していれば、セダンタイプの車両でも可能です。許可にかかる登録免許税は、3万円です。なお、運賃については、自動認可運賃の範囲で定める場合は、問題なく認可されますが、その範囲より安く、または高く設定する場合はその原価計算の明細、理由書等が必要となり、認可は難しいと言わざるを得ません。
これからの動向や相談時の注意点を教えてください。
地域によっては、自治体が介護タクシーも利用できるタクシー券を配布していたり、交通過疎地などではNPOなど非営利法人が有償運送の許可を取得し、自家用自動車などで実費程度の運賃で介護タクシーを運行したりしている場合もありますので、地域事情(競合事情)などにも配慮して許可の取得を検討する必要があります。また、比較的容易に始めることができるビジネスモデルではありますが、そもそも通常のタクシーにも余剰感がある現在、利用はなかなか増えていません。民間救急車の指定をあわせて受けたり、介護保険のケアプランに基づく通院等乗降介助への取り組み、介護と組み合わせた長距離運送やコールセンターへの登録など、利用の促進を工夫する必要があります。
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